なにげなくレノファ応援日記

レノファはどこから来たのか、レノファは何者か、レノファはどこへ行くのか

回顧と展望2010(その3)

レノファ公式で退団選手の発表がありました。

毎年のことながらさみしくなりますね(´・ω・`)
日を改めて各選手をふり返りたいと思います。


今日の回顧と展望のテーマは「レノファというクラブ」です。
現在、Jリーグ参入やJFL昇格を目指してるクラブが日本各地に存在してます。中にはJリーグJFLにたどり着く前に力尽き果てたクラブや進む道を見失ってしまったクラブがいくつかありました。上位カテゴリに上がるためには相応のコストとリスクを伴います。限られたリソースしかない中で、年数がたってもJリーグ参入やJFL昇格を実現できなければ、コストとリスクを負担し続けることは難しくなっていくでしょう。


でもJリーグJFLに上がれないからクラブがつぶれるようじゃ本当はダメなんですよね。スポーツ文化が地域に根付くためには、クラブの(半)永続的な経営を考えなきゃいけない。スポーツクラブの経営は一か八かのギャンブルじゃなく、ゴーイング・コンサーンでなきゃいけないんです。
かと言って、安易に「身の丈経営」に逃げ込むのも問題といえば問題。身の丈と言えば聞こえはいいけれど、リスクを取ってないことの裏返しでもあるワケで、もしもある年度の目標が達成できなかったとしたら、次の年度は前年度以上のコストとリスクをかけて挑戦しないといけないのです。
なので、一方ではクラブを安定して継続させ、一方では攻めの姿勢で挑戦するという二律背反的なミッションがクラブには課せられているのであって、一方の視点だけからクラブを見て批判するのではフェアではありません。なるべく複眼的な視点で今年のクラブの動きを振り返ってまいりましょう。


クラブの今季目標はいうまでもなくチームのJFL昇格。
JFL昇格のためには、クラブのあらゆる分野の強化が必要でした。


まず必要だったのはチーム強化。
選手補強ではカズマ&リューセイというレギュラー級2選手の入団が大きかったですね。春前の練習を見てた限り、クラブはより積極的な補強をひょっとしたら企図してたのではないかな?とも推測するんですが、おそらく結果としてうまく結実しなかったのでしょう…(´・ω・`)。選手補強は、クラブの事情だけでなく選手の事情も絡んでくることなので、一概に評価することは正直難しいです。
も一つ大きかった補強は月岡監督の就任。宮成GMが積み上げてきたレノファのサッカーに新たな生命を吹き込んだ月岡監督。月さん、ホントよく山口に来てくださいました。月岡監督に白羽の矢を立て招聘できたことは、高く評価できることだと思います。


さてチームを強くするには、先立つモノが必要です。
今季はスポンサー企業の皆様がいつのまにか増えました。

ホントだいぶ増えました(・∀・)
現時点のレノファを経済的に支援するのって、企業としてはかなり勇気いることと思うんです。でもこうやって多くの企業がレノファの目的に賛同して支援をされている。すばらしい。
でもクラブには、これで満足せず(もちろん決して満足してないでしょうが)より一層のスポンサー開拓を期待…じゃ生ぬるいな、要求したいですね。


そこで大切になってくるのが、サポーター&ファンを増やすこと。
企業もですね、人々から応援されてるクラブの方が、そうでないクラブよりも支援しやすいですよ。レノファの試合会場で観客がスタンドを埋め尽くしてる様子を見れば、スポンサーになってくれる企業は必ず増えます。そうすればクラブが持つ経済的&人的リソースも増えます。そしてチームも強くなっていきます。みんなが「レノファ強くなあれ」と思っててもレノファは強くなりません。みんなが行動しないとレノファは強くならないのです。


「傍観者」でなく「当事者」として行動する人が増えれば、レノファは間違いなく強くなるし、山口県の人たちの生活に欠かせない存在になっていきます。それは過去の事例(ファジアーノ岡山とか松本山雅とか)を見ても明らか。いかに行動してくれる人を増やすかがカギです。だからクラブは、本気になってサポーター&ファンを増やさなきゃならないのです。


その意味では今年のクラブはだいぶがんばってた……ですよね?
公式サイトのリニューアル、頻繁なサイト更新&情報発信、ようつべチャンネル開設、ツイッター開始、豪華イヤーブック発行、2010人プロジェクト、れんげさんのお弁当、その他以前からの継続としてマッチデー配布、FMY『GO!GO!レノファ』の放送などなど。


『GO!GO!レノファ』の力は偉大ですね。サッカーに興味ない知人も「あーあー、ラジオでやってるあのレノファね」と言ってました。レノファの知名度はだいぶ上がったハズです。
それから豪華イヤーブックは、某Jリーグサポさんが「ウチよりも豪華」と驚いたほどの出来ばえ。クラブは自分でハードル上げましたよね。来年以降は今年と同等以上のモノを作んなきゃなんない。まずは来年を楽しみにしましょ。
それから公式サイトでの情報開示が早くて積極的ですよね。例えば地域決勝募金の報告をすぐに公表したのはとても好印象でした。地域決勝や全社の予定をいち早く公表してるのもレノファ。他サポさんからレノファ公式サイトの評価が高いのもうなずけます。ただし過去(2009年以前)の記事が閲覧できないのは、どうにかならないものか。過去のレノファを知りたいファンもきっと多いはず。ネットって最新情報の収集源だけでなく過去のアーカイブ機能もあるワケですから、過去記事の復活を強く希望しときます


そんなこんなで、これらの広報活動は観客数にしっかり反映してまして、中国リーグでのホームゲームの観客数推移を見てみると…

  • 2006年 記録なし
  • 2007年 243人(総計1,700人/7試合)
  • 2008年 400人(総計3,200人/8試合)
  • 2009年 567人(総計5,100人/9試合)
  • 2010年 783人(総計7,050人/9試合)

と前年比38%アップ、観客数新記録を4年連続で達成してます。
が、上には上がおりまして、主な地域リーグクラブを見てみると…

クラブリーグ観客総数/試合数2010年
1試合平均観客
2009年
1試合平均観客
グルージャ盛岡東北1部5,800人/7試合829人←831人
コバルトーレ女川東北1部1,930人/7試合276人不明
福島ユナイテッドFC東北1部9,826人/7試合1,404人↑1,136人
AC長野パルセイロ北信越1部11,247人/7試合1,607人↑1,479人
サウルコス福井北信越1部1,893人/7試合270人↓529人
カマタマーレ讃岐四国12,377人/6試合2,063人↑1,853人
レノファ山口中国7,050人/9試合783人↑567人
今回JFLに昇格した長野と讃岐をみれば一目瞭然。毎試合2000人くらいお客さんが見に行くようでないと地域決勝は勝てない。結局そーゆーことなのです。地域の人々の応援がクラブの総合力につながり、クラブの総合力がチーム強化につながっていく。


ならば来季は1試合1500人〜2000人の観客を目指すべきです。
そうなると問題は試合会場。既存の会場で一番集客できそうなのは維新公園ラグビーサッカー場ですが、他に1000人以上集客or収容できそうなハコは見当たりません。きららも周南も徳地もおのだも1000人はまず無理。来年は維新スタジアムがオープンしますが、完成直後ですぐに使えるとは限らないし、ホーム1試合でもできれば御の字じゃないかと思ってます。


というわけで、理想は維新ラ・サ場で6〜7試合、維新スタジアムで0〜1試合、他会場で1〜2試合。てとこかな…。
もちろん、経験上、会場確保の大変さは知ってますし、思い通りに会場&日程を組めないであろうことも想像に難くありませんので、なかなか理想どおりにはいかないのでしょうけどね。
だけど、お客さんを増やしたいなら、維新ラ・サ場にホームを固定し、ときおり維新スタジアムでも試合をやるのがベスト。サッカー観戦に向いてないハコ(きらら、周南、徳地、おのだ)で大勢の人々にサッカーを見てもらうのも、そろそろキツくなってきたことですし。


だいぶ文章が長くなってきたので、次回につづきます。
次回がシリーズ最終回(の予定)です。