なにげなくレノファ応援日記

レノファはどこから来たのか、レノファは何者か、レノファはどこへ行くのか

大分、讃岐……2本の伏線の回収

大分:2008⇒2018

今から10年前の2008年12月、仕事で大分へ出張に行ったときのこと。
出張先の大分の方々が開いてくだすった夜の懇親会で、こう聞かれました。


「趣味は何ですか?」


地元山口にレノファってサッカークラブがあり、
今は中国リーグなんですけど、いつかJリーグに昇格しようと必死に頑張ってて
そのクラブを応援してるんですよと答えたところ、


「実は私達も地元のトリニータを応援してるんですよ」
「こないだナビスコ杯決勝まで勝ち進んだので東京まで応援に行ったらなんと!」
「決勝でも勝ってなんと優勝したんですよ!」
「地元クラブを応援してるとこんないいこともあるんだなーって!」


と意気投合。
大分のみなさんは当時中国リーグだったレノファを一切馬鹿にすることなく
「やっぱ地元クラブを応援するのって楽しいよね!」
「いつかレノファがJリーグまで上がってきたらトリニータと対戦したいね!」
と嬉しいリップサービスまでしてくれました。


それから10年。
ついにレノファとトリニータの対戦をこの目で見れる日がやっと来ました。

陸上競技場のくせに観客スタンドが急傾斜でとてもサッカーが見やすい良スタジアム。


試合前には大分サポさんがコレオを披露。

この試合のマッチスポンサーダイハツ九州さんのロゴと、
温泉県大分を象徴する温泉マーク……だったようです。


さて試合の方ですが
大分はまずわざと最終ラインでボールを回し、レノファがどんな前プレかけてくるかをチェック。
そのチェックが終わった後は、横に広いアタックを仕掛けて、レノファを揺さぶって疲れさせ、足を止めようと画策。


前半は0-1。大分のプランどおりですが逆転は十分可能。
今日の勝利つかみとろう!


レノファは前半あれだけ走ったのに後半も足がとまることなく走り続け、
それについていけない大分はレノファにスペースをどんどんとプレゼント。
2-2に追いついたときは逆転も時間の問題と思ったんですが……
大分もさすがでしたね。絶妙なベンチワークでレノファの強みを徐々に消していき、
互いにガンガン撃ち合うオープンな展開へ持ち込まれ、そのままドローで終了。



勝てなかった悔しさと、負けなくて良かったという安堵。
両チームどっちが勝ってもおかしくない、持ち味を存分に出し合う互角の好ゲームでした。


10年前は夢のまた夢だったこの対戦。
あれからレノファだけでなく大分さんもいろんなことを経験されてきましたが、
あのときの皆さんはまだトリニータを応援されてるのかな、応援されてるといいな……
みたいなことを考えながら、ノロノロ運転の東九州道を走り帰ったのでした。

讃岐:2007⇒2009⇒2010⇒2018

初期のレノファサポにNさんという人がいました。
Nさんはむかし香川県に住んでたとき、地元のサンライフFCというクラブを応援されてたそうで、Nさんが故郷山口県に戻って来た後、サンライフFCは紆余曲折をへて2006年にカマタマーレ讃岐と改称、四国リーグから将来のJリーグ入りを目指して本格的に強化を進めていきました。


そして2007年8月。
益田で開催されたFCセントラル中国戦。
Nさんは、サンライフサポ時代からの旧友である讃岐サポのTさんに声をかけ、Tさんはわざわざ香川県から益田までレノファの助っ人応援にかけつけてくれたのです。
Tさんはレノファサポのみんなに「外から見たレノファ像」を率直に語ってくれ、「今やってるレノファ応援は間違ってないんだな」と自信がついたのを今でも覚えています。


時は流れて2009年10月。
千葉県で開催された全社(全国社会人サッカー大会)。
レノファと讃岐が初めて対戦したのはこの大会でした。
讃岐の手堅いサッカーにレノファは手も足も出ず完敗に終わりました。


その翌年2010年10月。
山口県で開催された全社に讃岐も出場(この大会でのレノファの成績は聞いてはいけない)。
当時の讃岐には、飯塚亮や佐藤亨、岡本秀雄など数年後レノファへ加入した選手も何人かいましたね。
讃岐は戦前の下馬評どおりに勝ち上がり、下関陸上競技場での決勝戦で見事優勝!
つまり下陸って讃岐にはとても思い出深い&ゲンのいい会場なんですね。


その下関でのレノファ×讃岐戦を見に行きました。


下陸が誇る全自動式大型ビジョン(手動)


試合の方は、レノファはいつもどおりの攻撃、讃岐はカウンター一発狙い。
全般的にレノファが押してますが、なぜか攻めはサイドからオンリー。
真ん中で#7大崎ジュンヤがうまく動いてフリーになってもそこにボールが入らない(入れられない?)。


サイドからしか攻めないので讃岐もきっと守りやすかったことでしょう。
0-0のまま前半が終わりそうでしたが、#29三幸がもっかいやれと言われても絶対無理そうなミラクルショットを決めて先制。
後半はちゃんと真ん中からも攻めて勝利をつかみとろう!


結局、追加点はとれませんでしたが1-0で勝利!


讃岐には「約束の地」下関でツラい結果となってしまいました。


レノファにあって讃岐になかったもの、
それはあらかじめデザインされた「崩しの形」だったんじゃないでしょーか。知らんけど。
レノファは(ゴールにはならなかったものの)「崩しの形」を何種類か見せてくれました。
讃岐も「崩しの形」をいくつか用意できるようになれば、今の苦境から脱出できるんじゃないか。
そんな話を試合後にサポ仲間といたしました。

絡み合う糸、ほどける糸、紡がれる歴史

今回の大分戦と讃岐戦も2018シーズンの中の2試合にすぎません。
でも自分にとっては何年も忘れていた伏線を回収させてくれた貴重な2試合になりました。
いや、もしかしたら今回の2試合もまた何年後かの何かの試合への伏線になっていくのかも……。


わたしらが見てきた試合の記憶の糸っていうのは、絡み合ったりほどけたりして、
そーやってクラブの歴史として紡がれていくんでしょう、きっと……。知らんけど。


みなさんも胸の中にいくつか持ってますよね?
レノファを応援しながらまだ回収できてない伏線の数々を。
今日対戦する千葉にも、人それぞれいろんな伏線が張り巡らされてることでしょう。


スタジアムに行って昔の伏線を回収し、同時に新たな伏線をつくって家に帰る。
クラブを応援するってこーゆーことなのかも知れませんね。(知らんけど)