なにげなくレノファ応援日記

レノファはどこから来たのか、レノファは何者か、レノファはどこへ行くのか

2010.11.23 vs S.C.相模原(地域決勝1次R最終日)

今季の目標=JFL昇格の可能性がなくなった今季最終戦
レノファは最後まで誇りを失いませんでした。

話は前日のHOYO戦にさかのぼります。
試合直後、選手たちがサポーター席へあいさつに来たときのことです。
望みを絶たれた選手たちの顔を見て、ワタシは何も言葉が出ずに呆然と立ちつくすだけでしたが、周りのサポーターからはいろんな声が飛びました。ねぎらいの言葉、そして厳しい言葉も。


厳しい言葉が飛んだのは、負けたからでないことはすぐわかりました。
選手たちが一つ一つのプレーを必死でやってたことは、サポーターの誰もがわかってたと思います。しかし、残り5分で2点奪うための最善策を果たして取っていたか?失点を恐れず前線に十分な人数をかけて攻撃したか?味方がボールを奪ったらすぐ前へダッシュしていたか?正直、ワタシが物足りなく感じたのはそこです。全力を出してたのに、全力を出し切れてなかったという後悔。厳しい言葉をかけた人も同じ思いだったと後で聞きました。


地域決勝の敗退は決まりましたが、こんな不完全燃焼のまま帰るワケにいきません。こんな後悔を抱えたまま帰るワケにいきません。
JFL昇格のためレノファに何が足りなかったのかは山口に帰った後でも十分考える時間がある。とにかく今はレノファの実力をすべて出し切って山口へ帰ろう。その思いだけで迎えたSC相模原戦でした。


(試合の動画がYouTubeに上がってましたので、適宜貼り貼り)

そして迎えたキックオフ。
開始わずか20秒で先制されますが、選手にもサポーターにも動揺はまったくありませんでした。そして前半7分にもまずい形で失点。それでも動揺はナシ。とはいえ相模原のタイトなプレスによってレノファはなかなか前を向かせてもらえず、攻撃の糸口すらつかめないまま前半が終了しました。
もしレノファが90分勝ちすれば、1次ラウンドを1位突破できるYSCCのサポーターの皆さんもこの試合を観戦されてたのですが、レノファの低調ぶりに前半で大勢の方々が帰ってしまいました。


しかしレノファは選手もサポーターもあきらめが悪いのが特徴。
ハーフタイムでレノファサポは口々に「絶対勝つぞ」と言い合ってました。何なんでしょう、その根拠のない自信は?


後半に入っても、前半と同じ流れ。
一向に攻撃の糸口が見えてこないレノファ。しかし、しかしです。ワタシは見逃しませんでした。相模原のMFがDFからのボールをフィールド中央でフリーの状態で受けたのに、前方を一切見ることなくボールを後方のDFに戻したのです。何気ないワンプレーでしたが、ワタシはこれがターニングポイントになると思いました。
すると本当にその頃から、徐々にレノファのパスが中盤で回るようになり、両サイドにもいい形でボールが渡るようになりました。


ワタシに天のお告げが来たのはそのときです。
「20分頃までに1点返すチャンスが必ず来る。そのチャンスを逃さなければ、30分頃にもう1点返せる。その後は膠着状態が続くが、40分過ぎにどっちかに点が入る。それはおそらくレノファだ。」
まあ、それなりに根拠のある希望的観測だったのですが、ゲームは本当にこのシナリオどおりに進んでいきます。


後半23分、右サイドから#15カズマが入れたクロスを#8カシがヘッドで決めてまず1点。1点返した後はレノファが面白いようにボールを回し始めます。
そして後半33分、またも右サイドから#15カズマがクロスを入れると相模原DFに当たったボールを#16リューセイが気合いでねじ込んで同点。何が起こってるのかわからないといった雰囲気の場内。そしてますます勢いづくレノファ選手&サポーターたち。
迎えた後半42分、#9ヤスが中央をドリブルで上がり、左へ出したパスを#16リューセイがピンポイントクロス→またも#8カシがヘッドで決めてついに逆転です。場内一斉にわき起こる歓声。思わず周囲と抱き合うレノファサポーター。しかしまだ試合は終わってません。勝ったと思えば間違いなく負けます。「最後までやり切ろうぜ」と引き締めが入ります。



最後はGKまで前線へ上がってきた相模原の猛攻をふり切り、とうとう勝利の瞬間を迎えました。レノファサポーター席は歓喜の渦。ワタシも周りの人々とワケもわからず次々に抱き合いました。途中から抱き合う相手が見知らぬ方々になり……よく見るとYSCCサポさんたち。泣いてる方すらいらっしゃいます。
「最初は打算でレノファを応援していたが、途中からレノファのサッカーに心打たれてしまった。決勝ラウンドのことなんか関係なく、純粋にレノファを応援させてもらった。本当にレノファに感動した。」という過分なお言葉までいただきました。
そう、「オレたち」レノファは、「オレたち」のために戦っただけのこと。YSCCのために戦ったワケでも、相模原を阻止するために戦ったワケでもないのです。ただ自分たちの誇りのために戦っただけなのです。


というわけで、
シーズン最終戦を劇的勝利で終えることができました。
終わりよければすべて良し。めでたしめでたし、良かった良かった…


なーんて思ってる人は、少なくともひたちなかには誰一人いなかったと断言しておきましょう。この日の勝利は、この日だけのモノ。結局のところ「オレたち」レノファは今年もJFLに昇格できなかったのです。そのことに対する反省は絶対に必要です。ワタシなりの考えはまた後日書いてみようと思ってます。


ともあれ、1年間必死で戦ってくれたレノファ選手&監督&スタッフのみなさま、本当にお疲れさまでした&ありがとうございました。